Sunflower

今年は嫌に狂った夏で
陽炎の叫ぶ日差しの中を
虚ろに歩く坂の途中で
白い日傘の記憶に触れて
また、くらくら暗く冥い眩暈の夢の底へ
産まれ落ちてゆく
あなたは夏の日のようひまわりのように狂って
けだもののよう幽霊のようにただ綺麗で
白いブラウス暗いスカート白い肌
血の赤 禁じられたあの
夏へ
あの夏は嫌に穢れを厭い
街ゆく人が皆狂って見えた
ただ意思もなく咲くひまわりの
顔が一度にこっちを見た
あぁ産まれ生まれ産まれて死に死にゆく箱庭で
ねぇ遊びましょう
あなたは幼子のよう日溜まりのように笑って
まどろみのよう朝顔のようにただ静かで
夏の木漏れ日を抜けてあのダチュラの香る庭の
扉を開けて
あぁ願わくばあなたの笑う夏の日差しの中
産まれることなく
あなたは夏の日のようひまわりのように狂って
けだもののよう幽霊のようにただ綺麗で
落ちてゆく眩暈の淵で動く唇を見てた
姑獲鳥の鳴く あの
夏へ



Credits
Writer(s): Two Mie
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