静心なく花の散るらむ

丑 三つには 草木も 眠ると 謂うが
実にも 然り 繰り返す 太刀音の
全然 聞こえぬ

花軸に 感じは 無し 根は 端に 抜いた
闇を 合わせて 光と 成す

此の まんじは 終いの道
時雨 無い 神鳴りが 討たれて 仕舞う 迄
あな 馮河と 唯 嗤え
思い出づ 名を 賭して 月夜に 花は 舞う

暁には 七つに 刻むと 謂うが
未だ 二つぞ 吐き返す 液の 澱
花気に 噎せぶは

花柱に 流れ 落ちる 距の 黒い 蜜が
花柄で 混ざり 赤らむ 故

此の まんじは 終の道
時雨 無い 神鳴りが 討たれて 仕舞う 迄
あな 馮河と 唯 嗤え
思い出づ 名を 賭して 孔雀の 花は 舞う

此の 身空が 討たれたい
尽きせぬ 修羅にて 独り笑む
なれど 只で 散ろうか

疾うに 終焉は 夜を 明かす
果てしない 懊悩を 睡が 殺す 迄
我が 名前を 宣ばえよ
静心なく 散ると
最後の 雷火を 放つ 丈



Credits
Writer(s): Taisei Kunimoto (pka Matatabi)
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